あと30日で、他人に戻るふたり
商店街は閉店時間間近で、明かりを消しているお店も多数あった。
売り切れでさっさと閉めているお店もあるようだ。

閉店間際の惣菜屋さんで、お値引しているところもあった。

「後ろ髪引かれるけど…!今日はおせんべい!」


お惣菜になんとか背を向けて、私と大地さんはお店をひとつひとつ見ていく。

すると、ちょうど女子高生二人組が大きなおせんべいを半分に割って食べようとしているのが見えた。

「……大地さん!あれ!」

「このへんなのかな?」


希望が見えてきた!…と思ったところで、ようやく見つけた。


まだお店は営業中のようだ。
でも奥の方で片付けしている女性がいる。

「すみません」

私より先に、大地さんが声をかけてくれた。

「もう閉店ですか?」


奥にいた女性が急いで入口まで来てくれて、なにやらヘラみたいなのを出してきた。

「まだ大丈夫ですよー!なににします?」


手書きで書かれたメニューには、「イカ」「タコ」「しらす」「エビ」「ホタテ」…。

────どういうこと?


私が戸惑っているというのに、大地さんは

「どれにする?」

と聞いてくる。


「いや、どれって聞かれても…」

「一番好きなのどれ?」

「うわぁ、うーん、…エビかな」

「エビひとつください」


女性は「かしこまりました!」と元気よく返事をすると、すぐにおせんべい作りに取りかかる。

エビを取り出して、鉄板へパァン!と乗せると、そのまま専用の液体を上から垂らした。

そして、上から同様の鉄板を押しつけて、
ぎゅーーーーーーーーっとしばらくの間、プレスし続ける。


手際のいい動きに見とれていると、隣で大地さんが面白そうに笑った。

「海鮮せんべいか」

「こういう作り方なんですねぇ」


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