あと30日で、他人に戻るふたり
「でもさ、」

気づけば、口を開いていた。

「“本当にどうでもいいと思ってる”のと、“なんでもいいって思ってる”のって、ちょっと違くない?」


それまで勢いづいていた優奈がぴたりと止まる。
そして私の言った言葉の意味を理解しようと、繰り返す。

「どうでもいいと思ってるのと?なんでもいいって思ってるのは違う……?え?違わなくない?」

「違うよ」

「え?同じじゃん!」

「いや、違うよ」

「興味あったら“なんでもいい”なんて言わないもん!お金さえ出せばいいんだろ的な言い方だったから、ムカついた!」


それを聞いた瞬間、私の脳裏にいつかのやり取りが浮かぶ。

『お金、もったいなくないですか?』

『金ならあるんだよな』

────あれは、なんだったっけ。


「どうでもいいことの積み重ねで、恋って育つじゃん。そんなことも分かんない男、こっちから願い下げだよ!」


はっきりと優奈が言い切ったところで、ランチが運ばれてきた。

サラダ盛り盛りに、美味しそうなチキン南蛮が乗せられたワンプレートランチ。
思いのほかボリューミー。


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