あと30日で、他人に戻るふたり
そのあとは、優奈のイライラも収まって、服やコスメを買い回り、ああでもないこうでもないと二人で過ごした。

カフェも二軒目に行ったり、会社では話せないようなどうでもいい話をゆっくり話せた。


気がつけばあっという間に、もう夕方になっていた。


「あー…。もうこんな時間だあ」

優奈がスマホで時計を見て、両手いっぱいになった紙袋を抱え直す。

「荷物も重いし、帰ろっか」

「だね」

私は優奈よりも少なく、片手で間に合う程度の買い物くらいしかしていない。


「帰ったらまたアプリで新しい人探そーっと」

「…懲りてない」

また同じことを繰り返しそうな彼女を横目に、私も今晩はなにを食べようかな、なんて考える。


「じゃあ、月曜日にねー!」

と手を振る優奈に私も振り返し、駅の改札へ流れ込む。


夕方の駅は、昼間と変わらず混んでいたけれど。
みんな帰路についていた。


改札を抜けながら、なんとなくスマホを見た。

特に連絡はない。
……当たり前なのに、少しだけ気になった。


帰ったら、あの人まだ寝てるのかな。




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