彼と彼女の、最大の不具合
「(…まずいこと言った!?)」
もしかして変な意味に取られた?いや、そもそも今の流れで部屋に誘うってどうなの、っていうかこれっていわゆるお持ち帰りと同じじゃない!?いやいや違う、違うけど!
でもタイミング的にそう思われてもおかしくないような、ていうか私も深く考えずに言ったけど、改めて考えるとかなりまずいことしてる気がする!
というか正直な話、いつも隙あらばお持ち帰りしてやろうとかほんのちょっとだけ思ってたりはするけど、ほんのちょっとだから!
「(…おおおお落ち着け!これはチャンスだ)」
自分に言い聞かせて、ちらっと右京くんの様子を伺うと、やっぱり少し怒っているような気はするけれど、ここまできたらもう気にしないことにして、意を決して部屋の鍵を開けてドアを開く。
「ほら、入って」
そう促すと、右京くんはまたひとつため息をつきながら、どこか納得していないような顔のまま、それでも素直に部屋の中へと足を踏み入れてきた。
その背中を見ながら、ドアを閉めた瞬間、急に心臓の音が大きくなるのを感じて、さっきまでの幸せな気持ちとはまた違う、少しだけ緊張した空気が静かに流れ始めてくる。
「それで、どうしたの?右京くん」
鞄を椅子に置きながらそう聞くと、右京くんの顔はさっきからずっと怒ったままで、その視線に少しだけたじろぎながらも、どこかで別のことを考えてしまう自分がいる。
こんな状況でこんなこと思うのは絶対よくないって分かってるのに…
「(……怒った顔もかっこいい!!)」
もしこれを本人に知られたら本気で怒られるどころじゃ済まない気がするな。