彼と彼女の、最大の不具合
「極端……極端かぁ~……」
その言葉を口の中で転がしながら、ジョッキを持ち上げてビールを一気に飲み干す。
誰だって、好きな人と喧嘩したいわけじゃない。それでも、どうしてもぶつかってしまうものはある。
「喧嘩したいわけじゃないんだけどな」
ぽつりと呟くと、結衣はすぐに反応した。
「そうだよ。仕事の話じゃなくて、恋バナしようよ」
急に声のトーンが軽くなって、目がきらっとする。こういう切り替えの早さだけは昔から変わらない。私が右京くんのことを好きだと知っている、たった一人の人間だ。
「とにかくね、毎日顔がいいの。王子様?ってくらい。仕事のときは馬が合わないけど、ふと見せる顔は優しいし」
自分で言っておきながら、思い出して勝手に熱くなるのが分かる。
「うんうん。それはいつも聞いてる。で、いつ告白すんの?」
「ぶっ!!……ゴホッ」
勢いよく飲んだビールが喉に入って、思いきりむせた。
何を言ってるんだこの人は。