彼と彼女の、最大の不具合
「告白……!?私が?右京くんに!?ないない!無理無理!」
「なんでよ?付き合いたくないの?」
「付き合いたいとかそういうのじゃないっていうか……」
言葉が途中で止まる。本当は違う。
付き合いたいとか、そういうことを考えたことがないわけじゃない。ただ、現実味がなさすぎるのだ。
右京くんと私じゃ、天と地どころか、同じ舞台に立っている気がしない。
仕事中はいつも噛み合わないし、素直になれないし、気づけば睨み合っているし、真顔しか見せたことないし。なのに、ふとした瞬間に見せる優しさとか、何気ない気遣いとか、そういうものに勝手に救われている自分がいる。
「かっこいいなー、好きだなー」なんて入社したときから思ってはいる。でもそれは、遠くから見ているだけで十分な感情だった。付き合うなんて、そんな恐れ多いこと、考えたこともなかった。
「なんか頭の中でグルグル考えてるっぽいけど、絶対それ無駄だからね」
「な、なんでそんなこと言うの~!?私だってね、右京くんに似合う女の子になるために毎日美容にも気遣ったり、ダイエットしてみたり、おしゃれしたりしてるんだからねー!」
あんなに綺麗で、仕事ができて、周りに一目置かれている右京くんの隣に立つには、今の自分なんて全然足りない。
「はあ……今の茉白の姿を右京くんに見せてやりたいわ」
「だめだめ……!こんなこと思ってるって知られたら引かれちゃうっ……!」
慌てて顔を隠すように俯くと、結衣は呆れたように笑った。