彼と彼女の、最大の不具合



通った…!やった…!
嬉しさが一気にこみ上げてきて、思わず右京くんの顔を見ると、右京くんもやっと肩の力が抜けたみたいに大きく息を吐いて、右手をすっと出してきた。
私はその手にありったけの感謝と達成感を込めて、勢いよくパチン!と合わせる。


「…やっと、終わりましたよ、右京くん」

「今回は本気で疲れた」


右京くんはそのままドサッと椅子に座り込んで、天井を見上げながら長く息を吐いた。その横顔が、いつもより少しだけ緩んでいる。


「(……疲れてる、かわいい)」


最近ずっと切羽詰まっていて、こうやって右京くんの顔を見る余裕すらなかったことに気づく。その日常がまた戻ってくると思うと本当にありがたい。生きる糧なので。


「…右京くん、今日はどうする?」


いつもなら、流れでそのまま個室居酒屋ひとときに向かうのが私たちの打ち上げルートだ。

行くよね?行くに決まってるよね?

そんな期待を全力で目に込めて見つめると、右京くんは一瞬だけ視線を上に向けて考える素振りをしたあと、ぽつりと言った。


「今日予定あって、悪い」

「……。」


よ、予定!?今までそんなこと一度も言われたことなかったのに!?どれだけ遅くなっても、どれだけギリギリでも、あの居酒屋だけは絶対だったのに!?


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