恋から逃げるのには理由(わけ)があって
――その夜、太陽から最後に一通だけメッセージが来た。

『向日葵が嫌なら、明日からプロモーションの話は送らない。でも、君にだけは誤解されてほしくない』

私は画面を見つめた。

太陽は、逃げない。
仕事からも、私への気持ちからも。

逃げているのは、私だけだ。

返信はできなかった。

代わりに、朝比奈絵里奈のストーリーがもう一度更新された。

『明日は太陽さんと初めてのスペシャル対談。テーマは“運命の恋”。楽しみです』

運命の恋。

私は画面の文字を見つめたまま、息を吸うのを忘れた。

一度目には存在しなかった出来事が、私の知らない未来を動かし始めていた。
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