恋から逃げるのには理由(わけ)があって
――その後、私たちは太陽のマンションへ向かった。

もちろん、ただの夜食会ではない。
新庄を呼び、橘蓮司について調べるための作戦会議である。

ただし、テーブルの上には太陽が用意してくれた卵雑炊があった。

「人間は食べないと戦えないって、向日葵が言ったから」

「言いましたけど、こんなに手際よく雑炊が出てくるとは思いませんでした」

「卵と米は常備してる」

「王子様の備蓄が庶民的で助かります」

雑炊の湯気の向こうで、インターホンが鳴った。
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