恋から逃げるのには理由(わけ)があって
昼すぎ、私は最低限の食料を買いに駅前のスーパーへ向かった。
そして、カップスープ売り場で固まった。
黒いキャップ。
黒いマスク。
長身。
顔の上半分だけで周囲の空気を浄化している男。
大空太陽が、買い物かご片手に白菜を見比べていた。
違和感がすごい。
世界的俳優が白菜の重さを確認している。
海外ブランドの広告に出る手が、豆腐三個パックを持っている。
庶民のスーパーが、急に映画の美術セットみたいになった。
私は回れ右をした。
「向日葵」
声で捕獲された。
そして、カップスープ売り場で固まった。
黒いキャップ。
黒いマスク。
長身。
顔の上半分だけで周囲の空気を浄化している男。
大空太陽が、買い物かご片手に白菜を見比べていた。
違和感がすごい。
世界的俳優が白菜の重さを確認している。
海外ブランドの広告に出る手が、豆腐三個パックを持っている。
庶民のスーパーが、急に映画の美術セットみたいになった。
私は回れ右をした。
「向日葵」
声で捕獲された。