恋から逃げるのには理由(わけ)があって
第6話 「理想の男」はやりすぎるとバグになる
――私はあなたとの恋から逃げきらないといけないのに。
そう思ったのに、現実の私は台所で固まっていた。
『向日葵は、カラメルが苦いほうが好き』
太陽が、何でもない声で言ったあの言葉。
「……覚えてなくていいんだってば」
誰もいない部屋でつぶやいて、気を紛らわせようとスマホを手に取った。
けど、それがそもそもの間違いだった。
画面を開く。
おすすめ記事の欄に、眩しすぎる顔が出ていた。
『大空太陽、最新作で“王子役”に。世界配信インタビューで語った原点』
私は反射的に画面を伏せた。
見ない。
絶対に見ない。
こういうものを見るから心臓が余計な仕事を始めるのだ。心臓には必要最低限の勤務をお願いしたい。
三秒後、私は画面を戻した。
意志、弱すぎでは?
いや違う。これは確認だ。危険物の内容確認である。火元を放置してはいけない。大空太陽という名の火元が駅前の高級マンションに入居している以上、情報収集は防災の一環だ。
そう自分に言い訳して、記事を開いた。
そう思ったのに、現実の私は台所で固まっていた。
『向日葵は、カラメルが苦いほうが好き』
太陽が、何でもない声で言ったあの言葉。
「……覚えてなくていいんだってば」
誰もいない部屋でつぶやいて、気を紛らわせようとスマホを手に取った。
けど、それがそもそもの間違いだった。
画面を開く。
おすすめ記事の欄に、眩しすぎる顔が出ていた。
『大空太陽、最新作で“王子役”に。世界配信インタビューで語った原点』
私は反射的に画面を伏せた。
見ない。
絶対に見ない。
こういうものを見るから心臓が余計な仕事を始めるのだ。心臓には必要最低限の勤務をお願いしたい。
三秒後、私は画面を戻した。
意志、弱すぎでは?
いや違う。これは確認だ。危険物の内容確認である。火元を放置してはいけない。大空太陽という名の火元が駅前の高級マンションに入居している以上、情報収集は防災の一環だ。
そう自分に言い訳して、記事を開いた。