姉の身代わりに敵国に嫁いだら皇太子に溺愛されました
やがて再び、静かな寝息が聞こえ始める。

私はその背中を、ただ見つめていた。

近くにいるのに、届かない。

手を伸ばせば触れられる距離なのに――

心は、まだ遠いまま。

それでも、この人の隣にいたいと、思ってしまう。

その気持ちだけが、胸の奥に静かに残っていた。
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