遼くんは泣き顔がお好き。
「なんか俺ずっと気になってたんだけど。
久原さん、本当のところアイツのこと
どう思ってんの?」
「え……」
「すげぇダサいこと言うけどさ、俺思ってたよりも本気で久原さんのこと好きなのね?」
さらりと吐かれたその言葉に、ガチっと体が固まる。
隣の席に居た若い女の子たちの視線をひしひしと感じながら、宮尾くんの言葉の続きを待った。
「だからあの時、美澄くんが久原さんのこと連れてったの見て……ムカつく、違うなぁ…
イライラ?頭に血が昇るって感じかなぁ。
俺にしては珍しく、そう言う気分になったわけよ」
なんかあたし、今すごいこと言われてるんじゃないだろうか。
いつも穏やかで、怒ったりしてるところなんて教室ではほとんど見たことない宮尾くん。
そんな人が、こんなこと言うなんて。
「あの時だけじゃないよ、久原さんがアイツに触られてんの見るたびに思ってた。
触んな、話しかけんな、って」
「…な、なんかキャラ変わってない?
宮尾くんってもっと爽やか青年って感じじゃなかったっけ?!」
「………普段の俺じゃ、アイツには勝てないような気がして」
ぽつりと言って、コーヒーに刺してあるストローを指先で転がす。