遼くんは泣き顔がお好き。


「あとなんか久原さん見てるとそう言う気分になっちゃう」

「そう言う気分ってなに…」

「イライラしたりモヤモヤしたり」

「ええ?何、宮尾くんあたしにイライラしてたの?!」

「だって美澄くんに簡単に触らせるし抱き付かせるし、
隙が多いんだもん」


もん、って。
責めるような目であたしを見つめる宮尾くんに、何も言い返せない。

そんなこと言われても…。


「久原さんは誰が好きなの?」


好きな人なんて、居ない。

そう言うつもりだったのに。


何故だかその言葉は声にならず、喉の奥で消えた。


「…それってさ、多分俺じゃないよね」


小さな声で言われた言葉に顔を上げる。
俯いた宮尾くんが、悲しそうに笑っていた。


「本当は久原さんの中でわかってるんじゃないの?
誰が好きなのか」


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