探偵の日記 村田連続殺人事件
 五分程で彼は泣き止んだ。
「すまなかった。」
「ううん。愛する人が亡くなったなら当然だと思う。泣きたいなら泣けばいい。」
「あぁ、ありがとう。もう聞くなら聞いてくれ。」
「分かった。じゃあまず眠ってたと思うんだけど、いつ目覚めた?」
「時間は分からないけど、松岡に起こされた。」
「その時に誰が起きてた?」
「隣の席の二人と、スタッフの南さん?だった気がする。」
「なるほど。もしかして私が一番最後だった?」
「多分な。」
 何にも考えずにぐうぐうと寝ていたんだなと思うと恥ずかしい。
「そう。じゃあ次、どうして元カレのあなたがココに来てるの?」
「松岡に誘われたからだよ。特に予定もなかったからな。」
「元カレなのに?」
 笑いそうな気持ちを抑えて、私はそう聞いた。
「あぁ。」
 特に嘘をついたような雰囲気ではなかった。
「そう、分かった。じゃあもう大丈夫だから、次に松岡を呼んでくれる?」
 分かった、そう言って佐藤は出て行った。

「失礼します。」
 そう言って松岡は静かに入ってきた。
「じゃあそこ座って。」
 静かに頷き、ソファに座った。
「じゃあ早速始めるね。まず、麻夏に恨みはある?」
「無いと言えば嘘になりますけど…。」
 少しだけ思い詰めたような顔でそう言った。
「実は中学校に入学した時、いじめられてたんです。麻夏とは家も近くて幼馴染で、中学校に上がってからも仲良かったんです。でも少しして、いわゆる一軍女子の嫌われ者二人が私たちと同じグループになりました。二人は麻夏が好きみたいで、私が邪魔らしかったみたいで、いじめられました。麻夏は見て見ぬふりをしてました。二年間。私は友達のいじめを、見て見ぬふりするやつなんて、最低だと思います。本当に…。」
 確かに、いじめは学校の最大の問題だと思う。せめて誰かに相談できれば…。
「それは、酷いと思う。もうこれ以上は掘らないから。とりあえず大丈夫。話してくれてありがとう。戻って。」
 悲しそうに松岡は部屋を去った。
 確かに動機はあるかもしれないけど、少し経ち過ぎた気がする。
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