第2話 プロポーズ

 ​しばらく車を走らせると、
緑豊かな公園が見えてきた。

 駐車場に車を停め、私は彼に食べてもらいたくて、作ってきたお弁当を持って外に出た。

​「緑が綺麗やね〜♪ お弁当、俺が持つよ。食べるの楽しみやな」

「ありがとう。本当、お天気もいいし、森林浴には最高だね♪」

 ​颯大が自然に手を繋いできてくれる。

「公園の中、ゆっくり散歩しような♪」

 ​木漏れ日が優しく降り注ぐ道を、
二人で歩く。

「癒されるな……。もも、写真撮ろう♪」

「うん!」

 ​鮮やかな緑をバックに、ツーショットを撮った。

 シャッターを切ったあと、颯大が後ろから優しく抱きしめてきた。

「……俺、今めっちゃ幸せ」

 耳元で、ささやかれて、

「私も……幸せだよ♪」と、呟いた

 ​それから景色や空をカメラに収めながら、のんびりと歩いた。

「あっちの方も行ってみようか♪」

そう言って颯大がまた手を繋ごうとした、その時。

​(グゥ〜……)

 ​静かな公園に、可愛らしい音が響き、二人で笑った。

「あ、今、お腹鳴ったな。あそこで早めにお弁当食べよな」

「うん、お腹空いちゃった」

 ​少し歩くと、見晴らしのいい絶景のポイントを見つけた。

「うわ〜、景色最高やね! ここで食べよう♪」

「本当だ、綺麗……!」

 ​レジャーシートを広げて座り、手を拭いてからお弁当の蓋を開けた。

「わあ、めっちゃうまそうやん……! いただきまーす! ……ん、美味しい! 俺の好きなもの、こんなにたくさん作ってくれたんやな♪」

 ​満面の笑顔で頬張る颯大が可愛くて、私はデジカメでその姿を激写した。

「も〜、やめろや〜♪」

 口では言いながらも、颯大の顔は幸せそうな笑顔で溢れていた。

 ​お昼を食べ終えて、心地よい風に吹かれていると……。

「もっと、こっちにおいで」

 颯大が私をぐっと引き寄せると、そのまま抱きしめて離さなかった

​「景色が綺麗で、気持ちいいな……。もも、大好きだよ」

「私も、颯大のこと、大好き」

 ​すると颯大が、胸ポケットから一通の封筒を取り出し、私に差し出した。

 中には、一枚の紙。……婚姻届だった。見ると、保証人の欄には颯大のご両親の名前がすでに記入されている。
 
​「これからも、ずっと傍にいたい。……結婚してください」

 ​胸がいっぱいになって、言葉がすぐに出てこない。

「嬉しい……♪♪ 私も、ずっと颯大の傍にいたいって思ってた。こちらこそ、よろしくお願いします……!」

 ​こらえていた涙が、次から次へと溢れ出した。

「ほんまにありがとう。幸せにするし、ずっと守ってやるからな」

 ​颯大は優しく私を抱きしめ、重なるようにキスをした。

「やっと言えた♪ 親父もお袋も、楽しみにしてるって喜んでたよ」

 ​帰り道。後部座席に荷物を積み込むと、颯大が運転席のドアを開けた。

「今度は俺が運転するよ♪」

「お願いします。はい、鍵」

 ​私たちは思い出の公園をあとにした。
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