好きになった人は、みんなのアイドルで
45話 パンフェス
パンフレットを見ながら一周する。
イベント会場自体はこじんまりとしていて、既に売り切れたところもあるようだ。
「あ……ここのパン買いたかったけど売り切れだ……クロワッサン美味しいらしくて、気になってたんだよね」
「そっか、残念だね。あ、こっちも気になるって言ってたとこでしょ?」
「うん、あとあそこも。あ、あれが悠太郎くん気になってるカヌレのお店じゃない?」
「ほんとだ」
こないだのジェラートの時とはまた違う。
……楽しい。
列に並ぶと店員さんに試食のパンを渡される。
「限定のデニッシュです。彼氏さんもどうぞ」
(彼氏さん)
一瞬何を言われたか分からなかった。
……彼氏さん?
理解した途端、顔が熱くなる。
ち、違うんです。
否定しようと思ったけれど、店員さんはもう次のお客さんに話しかけている。
「……カップルに見えるよね、ごめん」
悠太郎くんが謝ってくる。え、なんで?
「なんで謝るの?……う、うれしいけど」
動揺して何言ってんの私。
「……そっか」
目を逸らす悠太郎くんの耳が、また少し赤い。
一通りお店を回って一息つく。
「ちょっと疲れたね、座る?」
イートインスペースを指さす悠太郎くん。
「うん、座る」
「飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「あ、アイスカフェラテ」
悠太郎くんの真似をして、アイスカフェラテを頼むことが増えていた。
今日も、つい言ってしまう。
「おっけー、買ってくるからつむぎちゃん座ってて」
「ありがと」
なにこれ。ほんとに付き合ってるみたい。
(……彼氏さん)さっき店員さんに言われた言葉がくすぐったい。
(……あーあ、ほんとに彼氏だったらいいのに)
一瞬浮かんだ考えを打ち消す。
(推し、推しなんだから)
「お待たせ」
アイスカフェラテを2個持った悠太郎くんが向かいに座る。
「ね、ちょっと食べてもいい?焼きたて食べたい」
緊張する気持ちをかき消すように言うと、
「俺の買ったカヌレも食べよ」と出してくれる。
あんなに楽しみにしてたパンフェスだったのに、
パンよりも、悠太郎くんの方が気になってた。
イベント会場自体はこじんまりとしていて、既に売り切れたところもあるようだ。
「あ……ここのパン買いたかったけど売り切れだ……クロワッサン美味しいらしくて、気になってたんだよね」
「そっか、残念だね。あ、こっちも気になるって言ってたとこでしょ?」
「うん、あとあそこも。あ、あれが悠太郎くん気になってるカヌレのお店じゃない?」
「ほんとだ」
こないだのジェラートの時とはまた違う。
……楽しい。
列に並ぶと店員さんに試食のパンを渡される。
「限定のデニッシュです。彼氏さんもどうぞ」
(彼氏さん)
一瞬何を言われたか分からなかった。
……彼氏さん?
理解した途端、顔が熱くなる。
ち、違うんです。
否定しようと思ったけれど、店員さんはもう次のお客さんに話しかけている。
「……カップルに見えるよね、ごめん」
悠太郎くんが謝ってくる。え、なんで?
「なんで謝るの?……う、うれしいけど」
動揺して何言ってんの私。
「……そっか」
目を逸らす悠太郎くんの耳が、また少し赤い。
一通りお店を回って一息つく。
「ちょっと疲れたね、座る?」
イートインスペースを指さす悠太郎くん。
「うん、座る」
「飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「あ、アイスカフェラテ」
悠太郎くんの真似をして、アイスカフェラテを頼むことが増えていた。
今日も、つい言ってしまう。
「おっけー、買ってくるからつむぎちゃん座ってて」
「ありがと」
なにこれ。ほんとに付き合ってるみたい。
(……彼氏さん)さっき店員さんに言われた言葉がくすぐったい。
(……あーあ、ほんとに彼氏だったらいいのに)
一瞬浮かんだ考えを打ち消す。
(推し、推しなんだから)
「お待たせ」
アイスカフェラテを2個持った悠太郎くんが向かいに座る。
「ね、ちょっと食べてもいい?焼きたて食べたい」
緊張する気持ちをかき消すように言うと、
「俺の買ったカヌレも食べよ」と出してくれる。
あんなに楽しみにしてたパンフェスだったのに、
パンよりも、悠太郎くんの方が気になってた。