好きになった人は、みんなのアイドルで
49話 紬のパン
夜のうちに寝かせておいた生地を取り出す。
(……美味しくできるかな)
パンなんて何度も作っているのに緊張する。
塩パンと、チョコチップ入りの食パンと、ウインナーロール。
美味しいって、食べてくれるかな。
可愛くラッピングをして準備完了。
よし、バイトに行くか。
ーー 「おつかれさまでーす」
更衣室に入ると仲良しの夏帆(かほ)先輩がいた。
「夏帆先輩、休憩ですか?」
「そう、今から休憩」
「じゃあこれ、良かったらどうぞ」
作りすぎちゃったパンをいくつか余分にラッピングして持ってきていた。
「え、なにこれ」
「焼いたんです。いっぱい作っちゃって」
「紬ちゃんってパン焼くの?すごい、食べていい?」
「はい、お口に合うといいんですけど……」
すぐに開けて食べる夏帆先輩。
「やば、これ美味しいよ。パン屋になれる」
「夏帆先輩、褒めすぎです。でも良かった」
パンを入れた紙袋を見て先輩が言う。
「あ、彼氏にあげるんだ」
「彼氏いないって言ったじゃないですか」
「じゃあ誰よ」
「……と、友達です」
「ふーん」
「わ、時間だ!カウンター入ります!」
(……友達?……さすがに推しっては言えないし)
時間の進みが遅く感じる。……まだ16時。
……やっと17時。
カランカラン。ドアが開く。 悠太郎くんだ。
「つむぎちゃん、おつかれ」
「おつかれさま、悠太郎くん。パン持ってきたよ、後で席に持ってく」
「ありがと、楽しみ。じゃ、アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました!」
いつものようにアイスカフェラテを渡す。
レジが空いたタイミングで更衣室からパンを取ってくる。
「はい、これ」
「ありがと、見ていい?」
「いいよ」
「……やばい、めっちゃ美味そう。早く食べたい」
「お店の中ではだめです 笑」
「こんなん拷問じゃん」
「拷問って」
レジが少し混んでくる。
「あ、ごめん、戻るね」 「うん、バイト頑張って」
悠太郎くん、美味しいって思ってくれるかな。
夏帆先輩が来て耳打ちしてくる。
「へえ〜、"友達"って彼のことだったんだ」
「……!」
「ふーん、よく来るよね、あの子、へえ〜、そっかそっか〜」
意味深な表情で見つめてくる夏帆先輩。
「やめてくださいよ」
今日のバイトも、集中できそうにない。
(……美味しくできるかな)
パンなんて何度も作っているのに緊張する。
塩パンと、チョコチップ入りの食パンと、ウインナーロール。
美味しいって、食べてくれるかな。
可愛くラッピングをして準備完了。
よし、バイトに行くか。
ーー 「おつかれさまでーす」
更衣室に入ると仲良しの夏帆(かほ)先輩がいた。
「夏帆先輩、休憩ですか?」
「そう、今から休憩」
「じゃあこれ、良かったらどうぞ」
作りすぎちゃったパンをいくつか余分にラッピングして持ってきていた。
「え、なにこれ」
「焼いたんです。いっぱい作っちゃって」
「紬ちゃんってパン焼くの?すごい、食べていい?」
「はい、お口に合うといいんですけど……」
すぐに開けて食べる夏帆先輩。
「やば、これ美味しいよ。パン屋になれる」
「夏帆先輩、褒めすぎです。でも良かった」
パンを入れた紙袋を見て先輩が言う。
「あ、彼氏にあげるんだ」
「彼氏いないって言ったじゃないですか」
「じゃあ誰よ」
「……と、友達です」
「ふーん」
「わ、時間だ!カウンター入ります!」
(……友達?……さすがに推しっては言えないし)
時間の進みが遅く感じる。……まだ16時。
……やっと17時。
カランカラン。ドアが開く。 悠太郎くんだ。
「つむぎちゃん、おつかれ」
「おつかれさま、悠太郎くん。パン持ってきたよ、後で席に持ってく」
「ありがと、楽しみ。じゃ、アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました!」
いつものようにアイスカフェラテを渡す。
レジが空いたタイミングで更衣室からパンを取ってくる。
「はい、これ」
「ありがと、見ていい?」
「いいよ」
「……やばい、めっちゃ美味そう。早く食べたい」
「お店の中ではだめです 笑」
「こんなん拷問じゃん」
「拷問って」
レジが少し混んでくる。
「あ、ごめん、戻るね」 「うん、バイト頑張って」
悠太郎くん、美味しいって思ってくれるかな。
夏帆先輩が来て耳打ちしてくる。
「へえ〜、"友達"って彼のことだったんだ」
「……!」
「ふーん、よく来るよね、あの子、へえ〜、そっかそっか〜」
意味深な表情で見つめてくる夏帆先輩。
「やめてくださいよ」
今日のバイトも、集中できそうにない。