私が一緒に暮らすのは、人気ゲーマーでした
「お母さんの友達?!うちで暮らす?!」


家中に響いたわたしの声に、イケメンも思わずチラっとわたしを見る。

「聞いてないのか…?」


彼は普通そう言うのは一週間前にいうだろ、みたいな視線でこっちを見てくる。


そりゃそうだよ!当日に言う親なんてうちの親くらいだよ!……ほんとに頭に入ってこない、お母さんってば何考えてるの。


わたしは頭を悩ませた。というかさっきお母さんに送った
「その人なんて名前?」ってメールの返事は返ってこないし。


既読ぐらいはつけてよ!
はぁ……お母さん忙しいのはわかるんだけど最低限の情報くらいは教えてほしいよ。


イケメンだけどさ……。イケメンだけど誰か知らないし。


お母さんを頼ることは諦めて、自分で行動しなきゃ……。
わたしはスマホから目をあげて彼のほうをまっすぐ見る。


「ていうか名前!!」
不思議そうにわたしを見ていた彼はビクッと肩をはねた。


「え……?」
「名前教えてください!名前も知らない人とは暮らせませんし!」


わたしは、いきおいそのままに彼に詰めかける。
後ずさった彼は困惑(こんわく)したような顔をしながら、


(かなえ)…。穂高(ほだか)叶だよ」 とつぶやいたのだった。


名前はわかったけど……
ほんとにこのイケメンと同居するの?!

―こうしてわたしとイケメンは1年間ともに暮らすことになってしまったのでした。








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