私が一緒に暮らすのは、人気ゲーマーでした

方向音痴って……

「今日は暑いですねぇ」


わたし川瀬なの。
……あれから何とかあって穂高くんは学校に行くことにしたらしい。


あの顔色なら休んだほうがいいと思うんだけど。まぁ本人が決めたことならって感じだし。


それで学校に行こうとしたけど、道を知らないから教えてくれなんて言われちゃって。
イケメンと並んで道を歩いているわけなんですけど……。


「まぁ、あの子とってもハンサムじゃない」
「男前ねぇ……」


近所の人にコソコソ言われてるし。
これだからイケメンと歩きたくないんだけど!?


とうの本人は何も気にしてない様子で、わたしがどの方角行くかをチラチラ横目で見てる。


道知らないもんね。
どうやら彼は土地勘がないらしくて方向音痴らしい。


しばらく一緒に帰らないとね。絶対1人で帰れないし。
わたし通学路はこの学校―!!ってくらい道が複雑だったし。


わたしも最初は迷ったな……。懐かしい。


「川瀬。つぎはどっち行くんだ?」
「えっと、右です……穂高くんそっちは左ですよ?!」


わたしがそういうやいなや、穂高くんは左へ歩こうとする。わたし右って言ったんだけど……。
次からは手ぶり身振りで伝えたほうがいいかもしれない。


わたしは彼の袖をひいてグイグイと進む。
穂高くんは最初、驚いた顔をした。


だけど途中から(俺方向音痴だから川瀬について行ったほうがいいな)みたいな感じで納得したのか、今はわたしの言う通りに歩いてる。


そんなこんなしてたらいつの間にか学校が見えてきた。
ほら、穂高くん君が通う学校だよ。


穂高くんは目新しい学校にキラキラと目を輝かせている。
……なんか小動物みたい。身長は高いのに仕草ひとつひとつがうさぎみたいで。

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