クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
お風呂で一頻り泣いた後、Tシャツとハーフパンツに着替えて、リビングドアを開けると、ご飯の炊ける匂いと、醤油とカツオ出汁の香りがした。
隼人さんはカウンターキッチンに立ち、慌ただしく料理をしているようだった。
「もう出来るからな。座ってろ」
隼人さんが視線でダイニングテーブルを指す。そこには二人分のランチョンマットが敷かれていた。
まさか隼人さんが夕食を作っているとは思わなかった。
「あの、手伝わせて下さい」
あまりにもお世話になり過ぎだったので、そう申し出ると隼人さんが私を見て、わずかに眉を寄せる。
「お前、髪濡れてるだろ」
エプロン姿の隼人さんが歩み寄り、私の髪に触れた。
「いつも自然乾燥だから大丈夫です」
「風邪ひいたらどうするんだ。パイロットは体調管理も大事な仕事だぞ」
隼人さんが私の腕を引っ張って、再びバスルームへ連れて行く。
洗面化粧台の前に私を座らせると、ドライヤーを持った隼人さんが私の髪を乾かし始めたから、ドキリとした。
ゴーッというドライヤーの音が室内に響く。大きな手が私の髪に分け入り、温風が首筋をくすぐる。隼人さんの指先は驚くほど繊細で、時折、耳の後ろやうなじに触れるたびに心臓が跳ね上がる。
「あの、自分でやりますから」
「いいから黙ってろ」
鏡越しに、真剣な表情で私の髪を乾かす隼人さんと視線が合い、笑ってしまう。
「なんだよ」
可笑しそうに笑う私を、隼人さんが鏡越しに見た。
「だって隼人さん、コックピットにいる時と同じ、真剣な顔で私の髪を乾かしているから、なんだか大袈裟な感じがして」
「瑞希の綺麗な髪に触れるんだから、そうなるだろう」
不意に落とされた言葉に、笑い声が喉の奥で止まる。
「……え」
「瑞希は自分の魅力に無頓着すぎる。よし、乾いたぞ」
ドライヤーのスイッチが切られ、急に静寂に包まれる。
隼人さんの大きな手が、仕上げに私の髪をさらりと撫でた。指先から伝わる熱がうなじに残り、心拍数が一気に上昇する。
「あ、ありがとうございます」
鏡越しに隼人さんを見上げると、満足そうに頷いた。
「よし、夕飯にしよう」
私の肩をポンと叩くと、隼人さんはドライヤーを置いて、洗面所を出て行った。
隼人さんがあまりにも素敵過ぎて、心臓がドキドキしている。鏡の中の私は頬を真っ赤に染めていた。
隼人さんはカウンターキッチンに立ち、慌ただしく料理をしているようだった。
「もう出来るからな。座ってろ」
隼人さんが視線でダイニングテーブルを指す。そこには二人分のランチョンマットが敷かれていた。
まさか隼人さんが夕食を作っているとは思わなかった。
「あの、手伝わせて下さい」
あまりにもお世話になり過ぎだったので、そう申し出ると隼人さんが私を見て、わずかに眉を寄せる。
「お前、髪濡れてるだろ」
エプロン姿の隼人さんが歩み寄り、私の髪に触れた。
「いつも自然乾燥だから大丈夫です」
「風邪ひいたらどうするんだ。パイロットは体調管理も大事な仕事だぞ」
隼人さんが私の腕を引っ張って、再びバスルームへ連れて行く。
洗面化粧台の前に私を座らせると、ドライヤーを持った隼人さんが私の髪を乾かし始めたから、ドキリとした。
ゴーッというドライヤーの音が室内に響く。大きな手が私の髪に分け入り、温風が首筋をくすぐる。隼人さんの指先は驚くほど繊細で、時折、耳の後ろやうなじに触れるたびに心臓が跳ね上がる。
「あの、自分でやりますから」
「いいから黙ってろ」
鏡越しに、真剣な表情で私の髪を乾かす隼人さんと視線が合い、笑ってしまう。
「なんだよ」
可笑しそうに笑う私を、隼人さんが鏡越しに見た。
「だって隼人さん、コックピットにいる時と同じ、真剣な顔で私の髪を乾かしているから、なんだか大袈裟な感じがして」
「瑞希の綺麗な髪に触れるんだから、そうなるだろう」
不意に落とされた言葉に、笑い声が喉の奥で止まる。
「……え」
「瑞希は自分の魅力に無頓着すぎる。よし、乾いたぞ」
ドライヤーのスイッチが切られ、急に静寂に包まれる。
隼人さんの大きな手が、仕上げに私の髪をさらりと撫でた。指先から伝わる熱がうなじに残り、心拍数が一気に上昇する。
「あ、ありがとうございます」
鏡越しに隼人さんを見上げると、満足そうに頷いた。
「よし、夕飯にしよう」
私の肩をポンと叩くと、隼人さんはドライヤーを置いて、洗面所を出て行った。
隼人さんがあまりにも素敵過ぎて、心臓がドキドキしている。鏡の中の私は頬を真っ赤に染めていた。