クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
翌日は羽田空港内のオフィスでのスタンバイ勤務だった。
午前中は共有スペースのデスクで、その日の気象データや機体のマニュアルに目を通し、お昼を食べに出ようと席を立った時、水沢さんに声をかけられた。
「南雲さんも、これからお昼ですか?」
「そうですけど」
「じゃあ、一緒にどうですか? 少し話したいこともあるので」
水沢さんの眼鏡の奥の瞳が深刻そうだったので、断るわけにもいかなかった。
「いいですよ。行きましょうか」
水沢さんと一緒にオフィスを出て、空港内のレストランに向かった。
エレベーターで五階のマーケットプレイスへ上がると、お昼時のレストラン街は旅行客やビジネスパーソンで賑わっていた。
水沢さんが選んだのは、フロアの奥まった所にある少し高めの和食店だった。
制服姿は少し目立つが、この店なら席ごとの間隔が広いので、込み入った話もできそうだ。
二人分の日替わり御膳を注文し、店員が下がったタイミンクで、私は切り出した。
「それで話したいことって何ですか?」
「……あの、高月キャプテンと別れたというのは本当なんですか?」
手元のお茶が入った湯呑みを握りしめながら、水沢さんは不安そうに私を見た。
あまりにも思いがけない質問に瞬きを繰り返すと、焦った様子の水沢さんが「すみません。プライベートなことを詮索して」とすぐに頭を下げた。
「いえ」
「でも、あの、もし本当なら、僕、立候補してもいいですか?」
「えっ……」
一体どういう意味だろうと思っていたら、水沢さんがハッキリと口にした。
「南雲さんが好きです。何度も諦めようとしましたが、出来ませんでした。僕と付き合って下さい」
まさか水沢さんに告白されるとは思ってもみなかった。
午前中は共有スペースのデスクで、その日の気象データや機体のマニュアルに目を通し、お昼を食べに出ようと席を立った時、水沢さんに声をかけられた。
「南雲さんも、これからお昼ですか?」
「そうですけど」
「じゃあ、一緒にどうですか? 少し話したいこともあるので」
水沢さんの眼鏡の奥の瞳が深刻そうだったので、断るわけにもいかなかった。
「いいですよ。行きましょうか」
水沢さんと一緒にオフィスを出て、空港内のレストランに向かった。
エレベーターで五階のマーケットプレイスへ上がると、お昼時のレストラン街は旅行客やビジネスパーソンで賑わっていた。
水沢さんが選んだのは、フロアの奥まった所にある少し高めの和食店だった。
制服姿は少し目立つが、この店なら席ごとの間隔が広いので、込み入った話もできそうだ。
二人分の日替わり御膳を注文し、店員が下がったタイミンクで、私は切り出した。
「それで話したいことって何ですか?」
「……あの、高月キャプテンと別れたというのは本当なんですか?」
手元のお茶が入った湯呑みを握りしめながら、水沢さんは不安そうに私を見た。
あまりにも思いがけない質問に瞬きを繰り返すと、焦った様子の水沢さんが「すみません。プライベートなことを詮索して」とすぐに頭を下げた。
「いえ」
「でも、あの、もし本当なら、僕、立候補してもいいですか?」
「えっ……」
一体どういう意味だろうと思っていたら、水沢さんがハッキリと口にした。
「南雲さんが好きです。何度も諦めようとしましたが、出来ませんでした。僕と付き合って下さい」
まさか水沢さんに告白されるとは思ってもみなかった。