クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「やはり白鳥は信用できないな」
 隣で高月キャプテンが呟いた。
「あの、白鳥副社長のことですよね? その娘さんって、広報の白鳥綾音さんですよね?」
「そうだ。白鳥が勝手に綾音と結婚させようとしているんだ」
「どうして?」
「俺の父がスカイクレスト航空の社長だからだ」
「え!」
 驚いて目を見開くと、キャプテンが意外そうに右眉を上げた。
「南雲は知らなかったのか」
「知りませんよ。でも、そうか、社長も高月さんですものね」
 高月誠一郎という社長の名前を思い出して、頷いた。そんな私を見て、キャプテンがプッと笑う。
「その反応面白いな」
 面白いことなんて何一つしたつもりはなかったけど、クスクスと笑うキャプテンの横顔を見ながら、笑うと優しい印象になると感じた。しかし、次の瞬間、結婚を考えている恋人だと言われたことを思い出しハッとする。
「私のこと恋人って紹介して大丈夫なんですか? ミスター・スターリングから白鳥副社長に伝わりますよ」
 高月キャプテンが腕を組み、じっと私を見る。
「そのことなら俺に考えがある」
「どんな考えですか?」
 そう言ったタイミングで私のお腹がぐうーっと鳴る。
 絶対にキャプテンに聞かれた。お洒落なドレス姿でお腹を鳴らす自分が恥ずかしくて顔を上げられなくなった。
「出よう。約束通り夕飯を奢る」
 俯いている私の腕を取って、キャプテンが歩き出した。
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