クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「私はスカイクレスト航空で南雲瑞希さんと一緒に働いている高月です。今日の青空教室のイベントにも彼女と参加していました」
「……瑞希、ここに来ているんですか?」
「来てますよ。お連れしましょうか」
「いや。私は瑞希に会う訳にはいかないんです」
父親は強く頭を振った。
「なぜです? 彼女はずっと家出中のあなたを探しているんですよ。あなたが家を出て行った後、彼女がどれほど苦労をしているか知っていますか? 給料のほとんどは家族への仕送りに使っています。生活費だけではなく、妹さんの学費と心臓を患ったお母さんの治療費を工面しているんですよ」
知らなかったのか、父親は大きく目を見開いた。
「……家内は心臓を患っているんですか?」
「ええ。そう聞いています。妹さんがお母さんと一緒に生活しているそうです」
「……私のせいだ」
「そう思うんだったら、瑞希に会って下さい」
「今はどうしても会えないんです」
「捨てた家族のことはどうでもいいってことですか? 勝手過ぎますよ。あいつがどんな想いであんたを探していると思っているんだ!」
札幌で必死に父親を探していた瑞希の姿が過り、思わず父親の胸倉を掴んだ。
「……今は会えないんです。離して下さい」
父親は力なくそう繰り返した。
俺は奥歯を噛みしめ、男の胸倉を離した。もうこれ以上、この男に時間を使っているのが無駄に思えた。
「どんな事情があるか知らないが、父親として彼女に向き合う責任があるんじゃないか?」
「わかっています。いずれ瑞希には会いに行きます。でも、今はダメなんです。どうか、瑞希のことをよろしくお願いします」
父親はそう言って深く頭を下げた。
その姿からは瑞希のことを思っているのはわかる。
会えない事情が何かあるのかもしれない。
「わかりました。俺の名刺です。連絡をくれれば瑞希に会えるように手配します」
今の俺にできることは父親と瑞希をつなぐ架け橋になることぐらいだった。
「高月さん、ありがとうございます。必ず連絡します」
俺の名刺を受け取ると、父親はそう言った。
今は父親の言葉を信じるしかない。
俺は瑞希を探しに屋上へと向かった。
「……瑞希、ここに来ているんですか?」
「来てますよ。お連れしましょうか」
「いや。私は瑞希に会う訳にはいかないんです」
父親は強く頭を振った。
「なぜです? 彼女はずっと家出中のあなたを探しているんですよ。あなたが家を出て行った後、彼女がどれほど苦労をしているか知っていますか? 給料のほとんどは家族への仕送りに使っています。生活費だけではなく、妹さんの学費と心臓を患ったお母さんの治療費を工面しているんですよ」
知らなかったのか、父親は大きく目を見開いた。
「……家内は心臓を患っているんですか?」
「ええ。そう聞いています。妹さんがお母さんと一緒に生活しているそうです」
「……私のせいだ」
「そう思うんだったら、瑞希に会って下さい」
「今はどうしても会えないんです」
「捨てた家族のことはどうでもいいってことですか? 勝手過ぎますよ。あいつがどんな想いであんたを探していると思っているんだ!」
札幌で必死に父親を探していた瑞希の姿が過り、思わず父親の胸倉を掴んだ。
「……今は会えないんです。離して下さい」
父親は力なくそう繰り返した。
俺は奥歯を噛みしめ、男の胸倉を離した。もうこれ以上、この男に時間を使っているのが無駄に思えた。
「どんな事情があるか知らないが、父親として彼女に向き合う責任があるんじゃないか?」
「わかっています。いずれ瑞希には会いに行きます。でも、今はダメなんです。どうか、瑞希のことをよろしくお願いします」
父親はそう言って深く頭を下げた。
その姿からは瑞希のことを思っているのはわかる。
会えない事情が何かあるのかもしれない。
「わかりました。俺の名刺です。連絡をくれれば瑞希に会えるように手配します」
今の俺にできることは父親と瑞希をつなぐ架け橋になることぐらいだった。
「高月さん、ありがとうございます。必ず連絡します」
俺の名刺を受け取ると、父親はそう言った。
今は父親の言葉を信じるしかない。
俺は瑞希を探しに屋上へと向かった。