クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「ひゃっ!」
視界が回り、気がついた時には、隼人さんの逞しい体が私を覆っていた。六畳間の薄暗い天井を背負い、私を見下ろす隼人さんの瞳は、獲物を追い詰めた野獣のような鋭い光が宿っていた。
「隼人さん?」
「自分の魅力をわかっていないお前が悪い」
「え?」
隼人さんの手が私の両手首を掴み、頭の上で固定すると、端正な顔が近づき、首筋に熱い唇が押し当てられた。
「……あっ」
甘い刺激に自分でも驚く高い声が出た。
「いい声だ。もっと聞かせろ」
そう言うと隼人さんの唇が今度は私の耳たぶにキスをしながら、右手が私の胸に触れる。Tシャツ越しに隼人さんの長い指が敏感な部分を刺激する。
「あっ、ダメ……」
必死に体を捩って抵抗するけど、鍛え上げられた隼人さんの体はびくともしない。それどころか、私の動きを封じるように彼の長い足が私の足に絡みつき、逃げ場を完全に塞がれた。
「ねえ、隼人さん、やめて、契約違反ですよ!」
そう叫んだ時、ハッとしたように隼人さんが目を見開く。
「……すまん。ほんの冗談のつもりだったんだ」
冗談と言われて、プライドを踏みにじられた。
私は勢いよく隼人さんを突き飛ばし、バッグを掴んで玄関に向かう。
「おいっ、瑞希」
「隼人さんが帰らないなら、私が出て行きます」
「本気か?」
ドアノブに手をかけた私の腕を、隼人さんが背後から強く掴んだ。
「……離して下さい。いくらお金をもらっていても、私は隼人さんのおもちゃじゃないですよ」
溢れそうになる涙を必死に堪え、ドアの方を向いたまま言い放った。
冗談であんなことをする隼人さんが初めて最低に思えた。
「俺の言い方が悪かった。そうじゃないんだ。瑞希が『男女』だなんて自分を卑下するから腹が立ったんだ」
その声に私をからかう響きはなく、切羽詰まったような熱を帯びていた。
「なんで隼人さんが腹を立てるんですか? 私が自分のことをどう言おうと勝手でしょ」
「俺は瑞希にもっと女性として自信を持って欲しい」
「だから、強引なことをしたんですか?」
「……すまない。瑞希がこれ以上、俺と一緒にいるのが嫌だと言うなら、俺が出て行くから」
しんみりとした声で謝られ、胸が締め付けられる。隼人さんは謝ってくれたのに、まだ苛立ちは収まらない。
「……今すぐ出て行って下さい」
本当はこんなこと言いたくないのに、口が勝手に動いた。
「わかった」
隼人さんは必要なものを持って、本当に出て行った。
パタンと閉まった玄関ドアを見て涙が滲む。
さっきまで隼人さんと一緒に横になっていた布団に入ると、隼人さんが使っていた枕に顔を埋め、涙を流した。ここに隼人さんがいないことが寂しい。本当は一緒に眠ることはそんなに嫌じゃないし、最近は隼人さんが来るのが少しだけ楽しみだった。
どうして私はこんなに素直じゃないんだろう。
視界が回り、気がついた時には、隼人さんの逞しい体が私を覆っていた。六畳間の薄暗い天井を背負い、私を見下ろす隼人さんの瞳は、獲物を追い詰めた野獣のような鋭い光が宿っていた。
「隼人さん?」
「自分の魅力をわかっていないお前が悪い」
「え?」
隼人さんの手が私の両手首を掴み、頭の上で固定すると、端正な顔が近づき、首筋に熱い唇が押し当てられた。
「……あっ」
甘い刺激に自分でも驚く高い声が出た。
「いい声だ。もっと聞かせろ」
そう言うと隼人さんの唇が今度は私の耳たぶにキスをしながら、右手が私の胸に触れる。Tシャツ越しに隼人さんの長い指が敏感な部分を刺激する。
「あっ、ダメ……」
必死に体を捩って抵抗するけど、鍛え上げられた隼人さんの体はびくともしない。それどころか、私の動きを封じるように彼の長い足が私の足に絡みつき、逃げ場を完全に塞がれた。
「ねえ、隼人さん、やめて、契約違反ですよ!」
そう叫んだ時、ハッとしたように隼人さんが目を見開く。
「……すまん。ほんの冗談のつもりだったんだ」
冗談と言われて、プライドを踏みにじられた。
私は勢いよく隼人さんを突き飛ばし、バッグを掴んで玄関に向かう。
「おいっ、瑞希」
「隼人さんが帰らないなら、私が出て行きます」
「本気か?」
ドアノブに手をかけた私の腕を、隼人さんが背後から強く掴んだ。
「……離して下さい。いくらお金をもらっていても、私は隼人さんのおもちゃじゃないですよ」
溢れそうになる涙を必死に堪え、ドアの方を向いたまま言い放った。
冗談であんなことをする隼人さんが初めて最低に思えた。
「俺の言い方が悪かった。そうじゃないんだ。瑞希が『男女』だなんて自分を卑下するから腹が立ったんだ」
その声に私をからかう響きはなく、切羽詰まったような熱を帯びていた。
「なんで隼人さんが腹を立てるんですか? 私が自分のことをどう言おうと勝手でしょ」
「俺は瑞希にもっと女性として自信を持って欲しい」
「だから、強引なことをしたんですか?」
「……すまない。瑞希がこれ以上、俺と一緒にいるのが嫌だと言うなら、俺が出て行くから」
しんみりとした声で謝られ、胸が締め付けられる。隼人さんは謝ってくれたのに、まだ苛立ちは収まらない。
「……今すぐ出て行って下さい」
本当はこんなこと言いたくないのに、口が勝手に動いた。
「わかった」
隼人さんは必要なものを持って、本当に出て行った。
パタンと閉まった玄関ドアを見て涙が滲む。
さっきまで隼人さんと一緒に横になっていた布団に入ると、隼人さんが使っていた枕に顔を埋め、涙を流した。ここに隼人さんがいないことが寂しい。本当は一緒に眠ることはそんなに嫌じゃないし、最近は隼人さんが来るのが少しだけ楽しみだった。
どうして私はこんなに素直じゃないんだろう。