疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
ドラゴンは立ち上がると、暖炉の上の燭台のろうそくに火をつけた。

それから燭台を持ち、リズの前に立った。

「お前は誰だ?」

「リズです。ご主人様」

リズは「ご主人様」を、今度ははっきりと発音した。

ドラゴンは、リズの顔をよく見るために、ろうそくの炎を左右にゆらしながら照らした。

その赤い瞳が煌めく。

「お前の目は・・バレリアン・・

先代の大魔術師と言われた、バレリアン卿の肖像画によく似ている」

ドラゴンはろうそくを持ち、もう一度炎を揺らした。

「特徴的な瞳の色。そうだ。

光にあたると・・青・・暗い所では紫に変化するのか。

その髪の色もそうだな。」

「ふむ・・おまえは、バレリアンの血をひくものか?」

リズは、ドラゴンのろうそくの炎で揺れる深いルビーの瞳を、美しいと思った。

「リズベット・ナディールです」

あえて、王女とは名乗らない。

現王は、実の父親ではないからだ。

その答えを聞いてドラゴンは、目を細め口角をあげた。

「身代金が、しこたまとれるというわけか」

リズは、静かに首を横に振った。

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