疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
低い声でそう言うと、ドラゴンは背を向け、館の正面にある古びた大扉の脇の小扉に手を当てた。

ギシギシ・・

扉はきしみながら開いたが、埃っぽい空気で満ちている。

ドラゴンはランタンを掲げながら、薄暗い中央の玄関ホールを抜けて廊下を歩く。

その背中のマントが揺れるのを見ながら、リズは小走りで後をついて行った。

突き当りの扉を開けると、居間らしき部屋があった。

奥に古びた暖炉があり、かろうじてまだ熾火が残っているのを見て、ドラゴンは火かき棒で炎をおこした。

戸棚を開けて、大きなガラス瓶を出し、グラスに琥珀色の液体を並々とつぐと、一気に飲み干した。

それから、ソファーに疲れているのか、崩れるように座った。

リズは、扉の脇に立ったまま、黙ってその動きを見ていた。

あのガラス瓶には、何がはいっているのだろう。

酒には違いないが・・何か特別な材料が入っているはずだ。

ドラゴンの酒だから・・・

「おいっ・・お前・・・」

声をかけられて、リズははっと我に返った。

「つっ立っていないで、そこに座れ」

リズは、近くにあった木の丸椅子に座った。

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