疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
その香りで緊張が解けたのか、とてつもなく疲労感を感じはじめていた。

「手を洗って、お茶をいただくことはできますか?」

かまどの火から、鍋を外していたグレーズに聞いた。

「手は・・・そこの扉を開けて、土間の井戸で洗ってくだせぇ。

今、お茶の準備をしますだ」

井戸で手を洗って、台所に戻ると、グレーズがお茶を入れるところだった。

グレーズがためらいながら、

「そのぉ・・旦那様が怖くないのですか?ドラゴンですよ」

リズは少し考えて

「そうですね。怖くない・・と言えばウソになるけど、今は足の傷が心配です。

ひどくなると、腐り落ちてしまうから」

「ひぇっ・・腐り落ちる・・んですか?」

グレーズが「恐ろしい!」といったように口を押えた。

「ええ、痛みが感じられないのは、むしろ、ひどくなっている症状のことが多いのです」

グレーズは首をふりながら、泥だらけの主人のブーツを乾かすために暖炉近くの壁際に置いた。

「パンを温めましょう。バターとチーズも用意します」

「ありがとうございます。」

温かいお茶を口にすると、ほっとすると同時に空腹を感じた。

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