疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

次の日の朝・治療の続き

<次の日の朝・治療の続き>

次の日、リズはいつもの祈りの時間30分前、5時に目が覚めた。

昨夜は疲れ果てて、気に留めなかったが、天蓋付きの豪華なベッドの羽毛布団が埃っぽい。

昨日とおなじ灰色の服を着て、黒のリボンで手早く髪を束ねると、改めて部屋を見回した。

長く使っていなかったのか、部屋の隅には綿ぼこりが積もり、掃除が行き届いていないのがわかる。

ドアのそばには、馬車に積み込んであったトランク、本、薬草の袋が置かれていた。

ドラゴンはきちんと約束を守ってくれる人なのか・・・リズは少し安堵した。

色あせたカーテンを開けて、バルコニーに通じるガラス扉を開けた。

目の前に広がる庭園は、木々が伸び放題で、戦うライオンの彫刻がいくつかあるが、苔むしている。

遠くに森が見える。

この館は森に囲まれていて、外に通じる道が迷路のようになっている。

近くに馬小屋があるらしく、馬のいななきと犬の吠え声が聞こえた。

リズはガラス扉を閉めた。

この先の事、それはドラゴン次第だが・・・

自分にできることは、もう一度傷を確認して、薬湯を準備すること。

昨日は暗かったから、明るい所で他の部分もどうなのか、見ておかねばならない。

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