疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「リズ様、我々も食事をいただきますだ」

何か剣呑な雰囲気を察して、グレーズが早口で言った。

「ささ・・・早く、スープが冷めるから」

その背中を押すように、グレーズは急いで食堂から退出した。

台所に入った瞬間、リズの第一声が響いた。

「ご主人様の食事が!!朝からビールと肉だけですか!!」

「他にはワインとかブランデーとか、日替わりで。肉は羊が多いかな」

グレーズは、リズの怒りを含んだ声音に、首をかしげて答えた。

リズは、鋭い口調で言い放った。

「傷に・・・あの食事は、体によくないですね!」

リズは断言したが、アンナが笑って答えた。

「リズ様、旦那様はドラゴンですよ。酒や肉が当たり前なのですよ」

「ああ・・・そうですね・・」

はっと気が付いたように、小さな声になった。

修道院に併設されているホスピスで、酒の飲みすぎで病気になった人を散々見て来た。

確かにドラゴンは、人間と違うのだろう。

リズはエプロンで手を拭くと、椅子に座った。

グレーズとアンナの食事は、人間の食事と同じだった。

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