疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
焼きたての雑穀パン、ベリージャム、フレッシュチーズ、厚切りハム、サラダ、オムレツ、

野菜スープとはちみつ入りの紅茶。

「リズ様、ケーキはお好きですか?

今日のおやつに、ポピーシードのケーキを焼きますよ」

アンナはチーズを切り分け、グレーズとリズの皿に置いた。

グレーズがジャムのびんを持ち上げて、自慢げにアンナに視線をやった。

「これは桑の実、マルベリーのジャムです。アンナはジャムづくりの名人でね」

「修道院でも保存食として、よくつくりましたね。リンゴが多かったかしら。」

この台所は、スープとパンの良い匂いで心が温まる。

昨日はどうなるかと思ったが、ここは居心地が良さそうなので、気持ちが緩んだ。

食事を終えると、白のリネンを切り裂き、即席の包帯を、大量に作った。

湯の入ったたらいと包帯、乾燥した薬草を煮出したやかんを準備すると、ワゴンを押して居間に向かった。

「ご主人様、包帯を取り替えますが・・・」

食堂に、主人の姿はなかった。

アンナが先を歩くので、リズもワゴンを押してついていった。

居間の先は、客間に続いている。

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