疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「王宮とはそのような場所です。邪魔者はすばやく消す。

でも、またその権力を持った者も、別の誰かに消されるでしょう。

王族の女たちは、権力争いの道具にしかすぎません」

リズは<当たり前の事だ>というように、言い終わると、何かに気が付いたように、ふっと笑みを浮かべた。

「私はすでに死人ですから、困りますね?

あなたは身代金も取れないし、売り飛ばすこともできないし」

ドラゴンは、リズの微笑みを不思議そうに、いや不気味そうに見た。

「そうだな・・この傷が治ったら考える・・」

ドラゴンはそう言うと、黙りこんだ。

朝日の入る窓から、涼しい風が時折吹き抜ける。

それは花の芳香と共に、夏の終わりを告げていた。
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