疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
ふくらはぎが終わると、ひざ裏、腿だが、ご主人様は長めの木綿の寝間着を着ていた。

その寝間着も、血で染まっていたので、少し迷ったが

「寝間着をはさみで切ります。背中まで開けますから」

ドラゴンは枕に顔を埋めたまま、何も言わなかった。

リズははさみを手にすると、ばっさりと裾から切っていった。

太もも、尻、背中、すべてあらわになったが、特に背中の出血がひどい。

まるでむちに打たれたように、赤く腫れあがっている。

リズは無言で、手早く作業を続けたが、くいこんでいる固い皮膚の欠片を外すたびに、小さなうめき声がドラゴンの口から出た。

「痛みがひどいようなら、言ってください。眠り薬を処方しますから」

その言葉に、ドラゴンは枕に顔を埋めていたが、少し顔をずらして

「お前の話をしてくれ。そのほうが、気がまぎれる」

リズは、血止めの薬草を張り付けながら聞いた。

「私の話とは?」

「どうやって王宮で生活して・・・なんであの場所にいたとかだ」

「そうですね・・」

リズは少し考えていたが、淡々と話しはじめた。



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