疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「バレリアン卿はドワーフ族のように、小男だったそうです。

私は女で背も高いので、いくら髪の色と目の色が似ていても、違うとは思いますが。」

「そうだな・・女が王位継承するとは考えにくい」

リズが皮膚に深く刺さった破片を引っ張り上げたので、ドラゴンはうめきながら言った。

「赤ん坊の私が泣くと、すぐに空が曇り、雨が降ったとか。

それで大魔術師の生まれ変わりで、魔力を使う恐ろしい子どもと言われました。」

そこまで言うと、ベッドサイドテーブルのブランデーをグラスに注ぎ、飲み干した。

はぁ・・・と大きく息を吐いてから、本を朗読するように続けた。

「ちょうど、時期が雨季だったからと思いますが・・・

なんでもかんでも、都合の良いようにこじつけるのが、王宮という場所ですからね」

リズは、しばらくブランデーの入ったガラス瓶を横目で見ていたが、手を伸ばしてグラスに目いっぱい注いてぐぃっと飲んだ。

「ナディール王は、赤ん坊の私を気味悪がって・・・修道院に預けたのです。

それから、私は辺境の修道院を転々としました」

ドラゴンは、黙ったままリズの話に聞き入っていた。

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