疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

リズの政略結婚

<リズの政略結婚>

「半月前に、急に王宮に呼び戻されたのです。

私と結婚したいという貴族がいると、聞かされました」

「ほう」

ドラゴンは興味を示したように、首を動かした。

「その貴族は、年寄りで金持ちでしたが、正妻も愛人もたくさんいて・・・

単に王族の血統を持つ跡継ぎが、欲しかっただけだったのでしょう。

結婚話は私とは関係なく、勝手に決められていました。」

「いてっ」

ドラゴンが叫んだ。

リズが力をいれて、硬い皮膚を引っ張ったからだが、言葉はそこで止まり、手も止まった。

それから、怒りとうんざりした気持ちが混じった口調で

「王宮の女たちは、結婚が決まると<閨(ねや)の作法>、いかに殿方をよろこばすかを教えられます。」

リズは嫌な記憶を振り払うかのように、残りのブランデーを一気に飲み干した。

しばらく沈黙があったが・・・酒でスイッチが入ったのか、話を始めた。

「結婚したら、自由がなくなります。

女は、跡継ぎを産む道具として扱われるからです。

だから修道院に戻ろうと思いました」

「そこで・・俺と会ったわけか」

「そうですが・・会ったというより狩られた・・という事で」

< 47 / 92 >

この作品をシェア

pagetop