疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
リズはまたブランデーをグラスに注ぎ、ぐぐっと飲み干すと大きく息を吐いた。

ようやく背中、肩までの治療を終えると、確認するように聞いた。

「お腹や太もものほうは、どうですか?」

ドラゴンはクッションに顔をつけたまま、くぐもった声で

「そっちは大丈夫だ。俺は半分、エルフだからな」

リズは少しほっとしたように

「ああ、後ろだけなのですね。

よかった。それでは横向きか、背を上にしてうつぶせで眠れますね」

そばにあった毛布を傷に注意して、上にかけた。

瓶に残っているブランデーを飲み干し、それから自分の頬を軽く叩いた。

次にやること。

血だらけのシーツの交換と、窓を開けて換気しなくては。

痛み止めの入った薬湯も飲ませて、強めの眠り薬も追加しておこう。

あと、薬草湿布を貼った所に、包帯を巻いて固定しておかねばならない。

リズは、血で汚れたシーツを丸めて引っ張り、新しいシーツを広げた。

窓からは陽ざしが入り、暖炉の火はよく燃えて、部屋は暖かい。

「薬湯を準備します。すぐに戻りますから」

ドラゴンはうつぶせで、顔を枕に埋めていた。

< 48 / 92 >

この作品をシェア

pagetop