疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

治療の報酬

<治療の報酬>

半時ほどしてから、リズはポットと湯呑のトレーを持って、寝室に戻った。

包帯の目隠しは自分でとっていたのだろう、ドラゴンは横向きになり、目を閉じていた。

「痛み止めと、よく眠れるお薬を飲んでください。ご主人様」

ドラゴンは薄目を開けて、リズを見上げた。

「お前は・・・呪われて生まれてきたのか・・」

リズは少し首をかしげて、斜め上の天井に視線をやった。

「呪いというより、偏見?嫌悪でしょうか?

バレリアンの大魔術師の生まれ変わりと、周りから勝手に思われただけですから」

ドラゴンは深く息を吐き、自虐的な声音で言った。

「俺と同じだな。父親は俺を嫌った。

母は俺が産まれたせいで、死んだからな。

母親は親父に誘拐され、ここに連れてこられたと聞いた。

望まない結婚で、俺は望まれない子どもだったのだろう」

ドラゴンは独り言のように続けた。

「俺はドラゴンとしても中途半端で、エルフにもなれない・・」

リズはそれを聞くと、ベッド下にあった別のブランデー瓶を取り出した。

それから瓶からぐぃっと口のみして、息を吐き、手の甲で口を拭うと、腰に手を当ててドラゴンを見下ろした。

「それは違います」

きっぱりした物言いに、ドラゴンは目を見開いた。

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