疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
その姿はバレリアンの大魔術師のように威圧的であり、瞳はサファイアの冷たい青に変化していたからだ。

「エルフのお母さまはあなたを愛して、生まれてくる事を望んでいたはずです。

お母さまの部屋に、赤ちゃんのための編みかけのケープがかごにありましたから。

望まない子どものために、編み物など女はしません」

リズの冷たく深い青の瞳と、ドラゴンの揺れる赤い瞳が交錯した。

「いつ入ったんだ?」

ドラゴンの声は弱かった。

「少し前に、アンナと掃除でお部屋に入り・・・そこで見つけました」

リズの頬は赤く染まり、酒はいつもより饒舌にした。

「ご主人様は中途半端ではありません。

ドラゴンとエルフの二つの属性を持っているという事です。

それは他の者にはできない・・・

両方の見方ができる、二つの世界の架け橋になれるという事です。」

ドラゴンは黙って、顔を枕に押し付けて聞いていた。

リズの雄弁は続いた。


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