疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「ただ、ご主人様の体質はエルフに近いのでしょう。

お食事もドラゴンのものだと、無理があるように思われます。

皮膚の状態も、食事で改善されるかと。

それから、お酒を控えたほうが、傷の治りも早いですね!」

言い終えると、ブランデーをグラスに注ぎ、飲み干した。

ドラゴンはやや枕から顔をずらして、横目で一気飲みするリズをずっと見ていた。

「おい・・・」

ドラゴンが呼びかけると、自分の首からペンダントの鎖をはずして、枕のそばに置いた。

「これをお前にやる。今回の治療費だと思ってくれ」

ペンダントの中央の石は、小鳥の卵ほどの大きさで、オパールのような遊色効果がある。

様々な色が、小さな雲母片のようにちりばめられ、美しい光を放っていた。

「俺よりお前が持っている方がいい。つけていろ」

リズは断ろうと思ったが、よけいな押し問答をしている時間がないと判断した。

まだ、処置は終わっていないのだ。

早く眠りにつかせねば、体力が消耗する。

ペンダントを手に取り、素早く首から下げた。

「・・・ありがとうございます。

さぁ、薬湯をお飲みください。

お疲れでしょうから、眠りが深くなるのは良い事です」

リズはベッドの端に座った。

こぼさないようにカップを片手に持ち、ドラゴンの肩を支えるように抱きかかえた。

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