疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「お前、俺の酒を全部飲んだな」

ドラゴンがうらめしげに言った。

「ここに置いておくと、ご主人様が飲んでしまいますから」

リズは当たり前のように言い、薬湯のカップを持ち上げてドラゴンの唇につけた。

「うーーん」

ドラゴンはうなったが、何とか薬を飲みこむと、ベッドに沈み込むようにして、体を横にした。

「おやすみなさいませ。」

リズが毛布をかけると、ドラゴンは疲れたように目を閉じた。

次にドラゴンが目を開けた時、もう夕方になっていた。

西日が窓から差し込み、リズは窓側のカウチで、クッションにもたれかかって眠っていた。

胸のペンダントの石は、名残の日を受けて煌めき、光を放っていた。

暖炉の火はよく燃えて、部屋は暖かい。

ドラゴンは、また目を閉じた。

次にドラゴンが目を開けた時、部屋はとっぷりと暗くなっていた。

暖炉の火は、熾火になりつつある。

リズは窓側のカウチで、うつぶせになり、泥酔しているように眠っていた。

ドラゴンは起き上がり、はさみで切られた寝間着を脱いで、毛布をすっぽりとかぶった。

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