疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

魔法石とは

<魔法石とは>

リズが台所に戻ると、アンナが机にうつぶせになっていた。

「アンナ、アンナ、ここで眠ってはダメです。体が冷えてしまいますよ」

リズがアンナの肩をゆすると、腫れぼったい目を開けた。

「リズ様、旦那様はどうですかね?何かあったら心配で・・・

グレーズと代わりばんこで、台所にいようと話しをしていたんです・・」

「ええ、今はぐっすり眠っていらっしゃるから、熱もでていないし大丈夫でしょう。

明日の朝は、パンがゆにしてください。

ミルクをいっぱい入れて、はちみつで甘くして、ご主人様に召し上がっていただきます」

アンナの目が、リズの胸に揺れているペンダントに向けられた。

「リズ様、そのペンダントは・・?」

「ああ?これは・・」

リズは、胸のペンダントに手を触れて、ためらったが、

「ご主人様が治療費の代わりとおっしゃられて・・私にくださったのですが」

「そうなのですか・・・」

アンナの眠そうだった目が大きく見開いて、ペンダントの中央の石に釘付けになっている。

リズはそのアンナの表情に戸惑いを感じて、質問した。

「このペンダントに・・何か・・?」

アンナの口元が下がり、もう一度ペンダントを見た。

「それはグラゴール様が・・・結婚の時に、奥様へお守りとして渡されたものなのです」

リズは驚いて、ペンダントを手に取った。

「まぁ、それは!私がいただけるものではないですね。

ご主人様にお返しなくては!」

アンナが意味ありげに

「その石は魔法石で、この領主が代々受け継ぐものなのです。

そして、「持ち主である主人を守る」と、言われています」

ペンダントの魔法石は、台所のかまどの火に反射して、ゆらめき虹色に輝いた。
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