疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
ドラゴンはしばらく、リズの灰色の修道院風の服を眺めていたが

「そうか・・しかし、カーテンを着るわけにはいかんだろう」

そこで、アンナが助け船をだしてくれた。

「旦那様、今日、エルフたちが、街まで馬を売りにいきます。

大きな市も立ちますし、そこでリズ様の服を買うのはどうでしょうか」

「わかった、アンナ。お前が一緒にいってやれ。俺には女の服はわからん」

ドラゴンはもう一度、リズを見た。

「その恰好で街に行くのはまずいな。お前の事を知っている奴もいるかもしれない。

アンナ、俺のガキの時の服を出してやれ。

男の恰好をした方が目立たないし、髪も墨で黒く染めたほうがいい」

「わかりました。旦那様、荷馬車で行きます。よろしいですね。リズ様?」

アンナは微笑んで、視線を向けたのでリズもうなずいた。

ドラゴンは懐から革の袋を取り出し、金貨2枚をテーブルの上に置いた。

「これで気に入った服を買え。アンナ、お前にも。孫たちに何か買ってやれ」

そう言って、アンナに金貨1枚を渡した。

「旦那様!!ありがとうございます!」

アンナは小さい体をピョンピョンはねて、テンションが上がっている。

「さぁ、リズ様、お支度を手伝いますよ。急ぎましょうね」

アンナはリズの手を引っ張って、いそいそと部屋から出て行った。
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