疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
人数は増えたけど、小さくなってしまったというわけですね。

だから、結婚相手が自分の半身であるという話を、結婚式の時にします。

独り身のドワーフは「旅人」と言われますね。

自分の欠けた半身を捜すために、ずっと旅をすると」

リズが、疑問を口にした。

「エルフたちの結婚も、同じようなのですか?」

アンナは肩をすくめて、あきれたと言うように

「エルフたちは自由というか、節操がないというか。

好きになったら一緒になる、飽きたらすぐに別れる・・・

エルフはしょっちゅう、相手を変えます。

身を固めるというより、恋愛することが大事なのでしょう」

「属性によって色々なのですね・・」

リズは感心して言った。

ドラゴンは・・・グラゴールという人は、一途に妻を愛したのだろう。

その質問をしようか迷っていると、アンナが突然、前を指した。

「街が見えてきましたね」

森の先には、教会の尖塔とレンガの城壁、街並みが見えた。

その先の小高い丘に、王宮がそびえたつ。

城の下、街の市場は大勢の人が行きかい、物売りたちの客寄せの大声が響きあっていた。

エルフの男たちは、町はずれに立つ、臨時の市に馬たちを連れていったらしい。

常設の市場には、その姿はなかった。

アンナは、大きい婦人洋服店の前で荷馬車を止めた。

「昔、奥様がよく使っていたお店です。リズ様のお好みに、合うものがあるといいのですが」

リズは額にしわをよせて、困惑気味に

「私は背が高いし、腕も長いので、あつらえになってしまいます。

それは高くつくし、日数もかかるでしょう」

「まぁ、まぁ、取りあえず見てみましょうね」

アンナに背中を押されるように、リズは店に入っていった。
< 61 / 92 >

この作品をシェア

pagetop