疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

ドラゴンの評価

<ドラゴンの評価>

夕方の台所で、アンナとリズの話し声が聞こえる。

「リズ様、御髪をなんとかしなくては。せっかくのドレスなのですから」

アンナは、リズの手を引っ張って椅子に座らせた。

「ドレスの共布で、リボンもつくりましたから。

髪は垂らして、後ろにつけましょうね」

「あの、でも、私も使用人だし、夕食の支度も・・」

リズが立ち上がろうとしたが、アンナはぐぃっとその肩を押さえた。

ヘアブラシを片手にリズの後ろにまわり、髪を結んでいるひもを解いた。

リズの銀灰の髪は艶やかであり、長く垂らすと波をうった。

「リズ様、お美しい御髪ですね。旦那様もお喜びになりますよ」

アンナはヘアブラシを片手に、リズの正面に回った。

「脇は、編み込みにするのがいいかしらねぇ」

「あの、私は・・別に・・」

リズは困惑気に答え、もう一度、立ち上がろうとした時だった。

台所の扉が開き、ドラゴンが入ってきた。

「俺が・・何を喜ぶのだ?」

「リズ様を見ていただきたいのです。このドレス、とてもお似合いでしょう」

アンナは、得意げに鼻をならしたので、リズもスカートの脇をつまんで、軽く会釈をした。

そうなのだ。このドレスは、ご主人様のお金で買ったものだ。

「ふーん」

ドラゴンは顎に手をやり、もう片方は腰に当ててリズの周りを一回りした。

その視線は、珍しい動物を見るようだったが・・・

「急ぎだったので、出来合いのものですけど。

袖にレースをつけてもらい、裾も長くするために別布で足して、仕立てにしてもらったのですよ」

アンナは自慢げに、ドラゴンに報告をしていた。

ドレスは、濃い群青色に小さな白い花が散っている布で仕立ててあった。

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