疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
そで口には繊細なレースが二重につき、裾もたっぷりとひだが入っている。

それらは、華やかさと優雅さを演出していた。

ああ、お礼を言わねばならないのだ。

リズは口をへの字にしていたが、宮廷仕込みの優雅なお辞儀をした。

「買っていただき、ありがとうございました。」

ドラゴンのあからさまな、興味深そうな視線。

胸元は大きく開き、レースでおおわれているところにロックオンされている。

自分がそんな目で見られているのは・・・居心地がよくない。

リズは、この場から・・・

いや、この視線から早く逃げ出したい思いがこみあげてくるのを、何とかこらえた。

「やはり・・魔術師は違うのだな」

そう言うと、リズの正面に立ち、胸にあるペンダントを手に取った。

身を屈めて、魔法石にキスをすると、次に指がリズのあごにかけられ、ドラゴンの唇が軽く触れた。

「美しいものには、キスをしたくなる」

「え・・・?」

リズが一瞬、「何が起きたのか理解不能」というように固まった。

「あの・・美しくはありませんが・・・」

そう言いながら、耳まで真っ赤になり、体を横にそらせた。

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