疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
ドラゴンは、馬をぎりぎり石垣のそばにつけるように寄せた。

「ここに足をかけろ。そして俺の腕をつかめ」

リズは指示された通り、何とか後ろのあぶみに足をかけて、ドラゴンの腕をつかんで乗ることができた。

「走るぞ。しっかりつかまらないと、振り落とされるぞ」

予想はしていたが・・・視界がとんでもなく高い。

「俺の腰に手をまわせ」

リズは怖さのあまり、ドラゴンの腰にしがみつくように腕をまわした。

「そらっ、行くぞ!!」

ドラゴンが軽く舌を鳴らすと、キースブラックが軽やかに走り始めた。

遠目には馬の疾走する姿は、美しく見えるが、馬上のリズはそれどころではなかった。

怖い、怖い、怖い・・・・

コワイ、コワイ、コワイ・・・思いっきり体が揺れて落ちそうになる。

「きゃああっ・・!!」

ドラゴンの背中に顔をつけて、腕に力が入った時

「ホウホウ、とまれ」

手綱を引かれて、ようやくキースブラックが止まった。

「おい、着いたぞ。降りるから、手を離せ」

リズの手が緩み、ドラゴンの背中に額をつけたまま、息を吐いた。

「ああ・・死ぬかと思いました。」

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