疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
周囲に目をやると、そこは初冬の草原の真ん中だった。

すすきのように綿毛をたくさんつけた穂が、果てしなく風に揺れ、一面の波のように、さざめく。

「この場所はきれいだろう。そうだな。天国に近いかもしれないな」

時折、雲間から薄日がさして、天から降ろすはしごのように地上に光を届けている。

山頂から霧が流れてけぶり、森が幻影のようだ。

ドラゴンが馬から降りて、リズに手を差し伸べてくれた。

「降りられるか?」

リズとしては不本意であったが、これは仕方がない。

ドラゴンに抱かれるように、地上に降りた。

が・・・次の瞬間、膝が崩れて、へなへなと草原に座り込んでしまった。

「この程度でへたるな。しょうがないな。これを飲め」

ドラゴンは、鞍にぶらさげていた革袋をリズに渡した。

どうもリズが弱った姿を見せるのが、おもしろいようだ。

リズは受け取ったが、その革袋から強いブランデーの匂いに気が付いた。

「お酒は・・飲めません・・・」

リズはうつむき加減に、顔を横に振った。

「ほう、大酒飲みのお前が・・無理とは・・」

リズはムムムと、額にしわを寄せたが、反論する気力はない。

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