疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン

ユニコーンとの遭遇

<ユニコーンとの遭遇>

その様子をドラゴンは、興味深く眺めていたが、

「少し行くと湧き水がある。歩けるか?」

リズは腰をかがめながら、何とか立ち上がると、ドラゴンがその腕を支えてくれた。

空いたもう片方の手で、革袋のブランデーをグイグイ飲んでいたのだが。

「ほら、ここだ」

すぐ近くの岩場の裂け目から、透明な水が湧き出て、苔が水滴でキラキラ光っている。

リズは水を手ですくい上げ、悲鳴でひりついた喉を潤す事ができた。

「ここで待っていろ。馬を連れてくるから」

そう言うと、ドラゴンはさっき来た道を戻って行った。

リズは水辺に座り、周囲を見回すと、鳥のさえずりと・・木々のざわめき・・・ではない。

すぐそばの茂みから、何かの気配!!

白い仔馬が茂みから、顔をのぞかせた。

毛並みは純白と少し灰色の部分があって、かすかに発光しているようにも見える。

そして額に、一本の角があった。

ユニコーン!伝説の・・・生き物だ。

ああ、でもここは魔法の力が働く場所なのだから、不思議な事ではない。

湧き水とともに、水脈を通って、魔力で満ちているのだ。

ユニコーンはリズの前に来ると、前足を折り、頭を下げた。
< 74 / 92 >

この作品をシェア

pagetop