疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「ねぇ、なでてよ」と、せがんでいるかのようだ。
リズはそっとユニコーンの角に触れ、鼻筋をなでてやった。
よく見ると、角はご主人様と同じような筋目が入っていて、艶やかで、雪のように濡れ感がある。
ピピピ・・・ピーーー
警告音を発するように、鳥が鳴いた。
その音に反応して、ユニコーンはすぐに立ち上がり、茂みに姿を消した。
ザザザザ・・・
茂みがゆらいで、葉擦れの音がする。
「あれはユニコーンか・・・」
ドラゴンがとげのある枝に注意をしながら、別の茂みから出て来た。
「ここらにいるとは聞いたことがあったが、俺も初めて見た」
「お前・・触ったのか・・」
リズは自分の手を見た。
「ええ、懐いてくれそうでしたね」
ドラゴンは考え深げに、首を縦に振り
「そうなのか・・・やはりバレリアンの魔術師は、違うのだな」
ユニコーンが前足を折り、先に挨拶をしたのだから、これはリズの方が格上ということになる。
バレリアンの大魔術師が、ユニコーンを呼びだしたか。
しかも、ユニコーンに触れることのできるのは、汚れなき乙女だけだ。
ドラゴンが黙っていると、リズが口を開いた。