疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
「700・・750・・・800」

ここで手を上げたのは二人、フードをかぶったマントの男と、裕福な身なりの小太りの男が競り合う。

「1000ではどうか・・・これは、めったに手に入れることができないぞ」

「1000、1000だ!!」

フードの男が手を上げたままなので、小太りの男は悔し気に自分の胸を叩いた。

「決まりだ!!あんただっ!!」

執行官はフードの男を指さし、台に上がるよう手招きをした。

処刑台の周囲に集まった見物客は、どんな奴が買ったのか・・・興味津々である。

「それでは、1000でお買い上げですね。支払いは・・・」

オークションを仕切っていた執行官がニヤニヤと笑い、フードの男の顔を覗き込もうとした時だった。

その男はいきなりドラゴンの角を、片手でつかんだ。

その瞬間、突風が吹いて、男のフードが外れ、銀灰の髪が風になびき、正体が露わになった。

男ではない・・・女だ!!

それを見て、群衆は騒ぎ出したが、一番驚いたのはナディール王だった。

死んだはずの王女が、そこにいたからだ。

それもバレリアンの大魔術師そっくりの・・・

「王よ・・・」

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